OTの募集のない団体へ転職

 

作業療法士として回復期・外来・訪問を経験し、
結婚を機に引越し転職をする際、
私は作業療法士の募集がないNPO団体へ飛び込みました。

そのきっかけの一つは、一人の担当患者さんです。

入院期間中は後輩が担当していて、お休みの日に代行したり、
担当病棟だったので顔をあわせる機会も多かった
片麻痺の60代の女性。

ご主人と二人暮らしで、お子さん家族が近くに住んでいました。

高次脳機能障害はなく、
杖歩行が可能な状態で退院されました。

自助具などを使って家事も行うことができていました。

外来で退院後のフォローをしている中で、
家の中での生活は今までより時間がかかるものの
なんとかやることができている。
屋外歩行はできるレベルではありましたが、
ご近所を杖で歩くのが嫌だとのこと。

ご近所の方に今の姿を見られたくないと、
少し遠くのスーパーまで買い物に行ったり、
大好きだったガーデニングも
作業中にご近所の方に会いたくない気持ちから
やらなくなっていたようでした。
お孫さんの運動会も見に行くことができませんでした。

この話を聞いて、
できる状態の体があっても、
戻ることが難しいことがあるんだと気がつきました。

この会話をきっかけに
病気や怪我をしても、戻れる場所を作りたいと
強く思いました。

病気や怪我をしても戻ってきた人がいれば
他の人たちも病気や怪我をしたときに
少し安心できると思います。

以前のようにできない、
そこを受け入れるのは何年もかかるだろうし
何年かかっても受け入れられないかもしれない
ふと辛くなる瞬間もあるかもしれない

でも、元のコミュニティに戻れたり、
もしくは新しいコミュニティを見つけたり、
精神的な支えとなる場所があってほしいと思います。

訪問看護で働いている中でも、
作業療法士ってフォーマルな場所でも限られた施設にしかいなくて、
作業療法士がいればいいのになと思うことがしばしばありました。

そんな思いから、
転職先を探す際は作業療法士の募集に拘らず、
居場所づくりをしているところを見つけました!!

地域の人の居場所を作っているようで
自分の居場所にもなっていて、
居場所に出入りする皆さんに
私自身も支えてもらっていました。

実際に居場所づくりに関わって感じたことなどはまた今後。

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